日本全国の小学校と中学校が、一斉休校となった矢先の出来事であった。コロナウイルスの影響を受けた国は、新しい助成金制度を設けるとのことだったが、自営業を含むフリーランスはその対象外とのこと。
ちなみに新しい助成金制度とは、「子供の世話で仕事を休む保護者には失業手当上限と同額の8330円を助成する」というもの。これは中々に素晴らしい制度ではないだろうか。
しかしその対象は、サラリーマンのみ。子供がいたとしても、フリーランスや自営業であれば貸付という形を取る、と言っている。
貸付となれば、結局はいつか返さないといけないわけで。しかも相手は国で、国に借金するとなったら、もう大変。
有給を取れるように
国会の答弁の場にて、小池都知事による「フリーランスへの補償については?」との質問に、安倍総理は「有給を取ることを可能にするように企業に促す。」というような答えを口にした。これはYouTubeでそれらしいワードで検索すれば容易に見つかる。
これについてネット上では「フリーランスに有給なんてあるわけないだろ」というような声が飛んでいるようだが、100%そういうわけでもない、というのが個人的な意見だ。
なぜなら、「企業に常時滞在」という形を取っているフリーランスであれば、場合によっては有給の取得も認められているし、なんなら自分もその対象の一人である。企業に常時滞在はしていないが。
フリーランスや自営業にも助成を
先の有給のくだりは、冒頭に書いた「サラリーマンには助成、フリーランスや自営業には貸付」という意見を聞いた小池都知事が、「サラリーマンとフリーランスで支援に格差があるのはおかしいのでは?」と安倍総理に質問して結果返ってきた内容だ。
小池都知事は安倍総理に対してストレートに「フリーランスというのをよく分かっていない」と言い切っているが、正にその通りだと思う。
フリーランスや自営業の有給云々ではなく、その体系についてだ。
例えば健康保険料
フリーランスや自営業の人のほとんどが、保険は国民健康保険に加入している。企業に属していないので、当然のように社会保険には加入できない。
国民健康保険であれば、保険料は基本的に全額支払わなければいけないが、社会保険であれば属している企業が半分を負担してくれる。これは所得が平均レベルやそれ以下の人々にとっては、地味に大きな差となる。特に若者であれば顕著だ。
日本に籍を置く人であれば、サラリーマンかフリーランスかに関係なく、公的健康保険に加入しないといけないわけで、ということは強制的に保険料も支払わないといけないわけで。
こうした保険料が、例えば今のようなコロナウイルス影響下にあるときくらいは支払わなくてもいい、となると少しは楽になれるのに。
こんな助成を求める
サラリーマンに失業手当上限と同額の8330円が助成されるのであれば、フリーランスや自営業者にはその半分の4165円だけでも助成してほしいところだ。
4000円ちょっとでも、子供がいる家庭にとってはあるのとないのとでは雲泥の差だろう。
しかし、改めて考えてみると安倍総理というか国の、サラリーマンかフリーランスかに対する見識や対応の違いは、時代錯誤としか言いようがないように思うのは、自分だけだろうか。
コロナウイルスの影響
今回のコロナウイルスによる影響で、経営破綻となってしまった企業も少なからず出てきているし、今すぐではないにしても半年以内に影響が出ると見越している企業も、相当数存在するようだ。
所謂店舗においては、営業時間の短縮や営業そのものの停止、といった事態になっているところだってあるし、ネットで調べる限りでは飲食店やジムといった閉鎖空間での営業を仕方なしとするところにおいては、客足が遠のいているらしいし。
そういった影響を受けているのは、もう身を以て知っている。
契約の延期は事実上の破棄
役員として在籍している会社では、1月末に問い合わせが入った大口の顧客との契約締結が、もう目と鼻の先にまで来ていたのに。コロナウイルスの影響だとかで、延期にしたいとの連絡が入った。
契約書を交わしたわけではないので、延期となった結果、結局は契約に至らず破棄となることだってあり得るわけで。痛手ではないにしてもある程度の固まった利益を得られると踏んでいた話だったので、残念で仕方がない。
一時的には追い風になったとしても
先の例とは別に、コロナウイルスによる影響、具体的には在宅勤務や自宅待機となっている人たちにとって、自社のサービスは少なからず好影響を受けているのかもしれない。
また知人の経営者からも、物販による収益が右肩上がりだ、というような話を聞かされている。こうした狭い範囲や短い期間だけで考えると、結果オーライなのかもしれないが。長期的な目で見た場合は、日本はもちろん世界的にも大打撃となるのは、間違いないのではないか。
経済はもとより、死人が大多数出ている現実を考えると、やりすぎなくらい予防や手洗いうがいをするようにしないと、足元をすくわれるかもしれない。